2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

債務の本旨に従わない労務提供と賃金控除の可否 岡山地判R4.4.19

債務の本旨に従うものとはいえない労務提供を行ったとして、当該労務提供時間分の賃金を控除した措置に対し、違法と判断した例として、岡山地判R4.4.19労判1275号61頁をご紹介します。 事案の概要 労働者Xは、鉄道運転士であった。 Xは、回送列車を電車区に…

就業規則の「不利益」変更とは?

就業規則を労働者との合意なく「不利益」に変更する場合、労働契約法10条に定める合理性の要件を満たす必要があります(労働契約法10条)。ここにいう「不利益」とはどういう場合かとの点は、実務上重要な問題となります。 1 前提:就業規則の効力 労働契約…

事業場外みなし労働時間制の適用を認めた例 東京地判令4.3.30

MRに対し、社用携帯電話を持たせ、また勤怠システムが導入されていた事案において、事業場外みなし労働時間制(労基法38条の2第1項)の適用が認めた例として、東京地判令4.3.30労経速2490号3頁をご紹介します。 事案の概要 労働者Xは、医薬品の製造・販売を…